鍛冶屋の仕事(やすり)

ヤスリ

鍛冶屋が作るハンドメイドやすり

鍛冶屋のやすり作り。

金槌を作るために必要なもの・・
金槌の柄。

柄を削るのに必要なもの・・
やすり。

数年前
やすりを作っていただけないかという
お問合せをいただいたことがあります。

未熟ながらそのときは
鍛冶屋がやすりを
作れることを知らなかった。

40年以上鍛冶屋をしてる
親父に相談もしましたが
親父もそれはできないということで
鋼をやすりの形に鍛造したもの・・
タガネで切ってないものを
お送りさせていただきました。

去年NHKの
プロフェッショナルという番組で
漆カンナを製作している
中畑文利さんと
やすり職人の深澤敏夫さんが
出演されていました。

漆カンナを製作している
中畑文利さんは
奥さんと向こう打ち。

向こう打ちとは
職人同士が対面になって交互に叩くこと・・
一人が合図をだすように叩いたところを
大きなハンマーを持ったもう一人が叩く。

うちのばあちゃんも
じいちゃんと向こう打ちを
していたと言ってました。

長靴をはいて仕事をしていて
鍛接のとき飛んだ鉄の塊が
長靴の中に入って熱かった・・
でも熱いと言って手を止めると
じいちゃんに怒鳴られる。

かわいそうなばあちゃん・・。

亭主関白だった・・らしいじいちゃん。
僕の知るじいちゃんは
ばあちゃんに怒られてばっかりだった。

かわいそうなじいちゃん・・。

二人とも100歳近くまで生きて
亡くなりました。
鍛冶屋は長生きするんでしょうか・・。

漆カンナ・・
中畑文利さんは生で
モンキーで曲げてました。
柔らかそうだから
鋼は青や白ではないと思うけど・・
なんだろう。

脱線しましたがやすり・・。

去年はじめて
やすりを製作している工程を
テレビで見ました。

やすり職人は
タガネで鋼を切っていく。
面白かった。

やすりを切る前の物は
鍛冶屋かそのほかの職人さんが
作ったもの。

深澤敏夫さんがタガネを
自分で作ってるかどうかは
わかりませんでしたが・・

やすりは一人で作るものではない。

数年前の自分の判断は
無難というか正解だったかなと
・・思ってましたが。

数年前のお問合せ時お客様が
おっしゃっていたことが
頭に残ってます・・

鍛冶屋さんに
作ってもらったやすりを
その鍛冶屋さんがいないので
うちでできないかという話でした。

溝の深い特殊な?形だったので
今でもあれは作れないと思うけど・・

普通の形なら
作れるんじゃ・・と思い
タガネ作りから開始。

作って初めて気づく。
必要な道具。

作って初めて迷う。
鋼材選び。

そして知る。
自分の今のレベル。

鍛冶職人・惇平。

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